2014年2月16日日曜日

メッス シャガールとコクトーのステンドグラスがある街

メッス(Metz)はナンシーの北60kmほどのところにあるロレーヌ地方の中心都市です。

この街にあるサンテティエンヌ大聖堂は1220年から300年もかかってできたものだそうで、たいへん立派です。
今もタワーが修復中で、ご覧のように養生がされていました。
この大聖堂の中に、シャガールが造ったステンドグラスがあります。

普通のステンドグラスもありますが、シャガールのは見ればそれとすぐに分かります。

青色基調のものが2つと黄色のものが1つ。
いずれも旧約聖書にある話を題材としているそうです。



この中では、黄色を基調としたステンドグラスの色使いががとても新鮮で印象的でした。

続いて行ったのは、ジャン・コクトー作のステンドグラスがある
サン・マクシマン教会です。
細い道沿いにある小さな教会で、入口はここでよかったのかと戸惑うほどです。
 中に入ると、ガランとして誰もいません。

 正面の祭壇の奥にそのステンドグラスがありました。
 いろいろな図柄がありました。
アフリカの雰囲気があるもの、兵士や女性や
動物などです。
 聖書のことを知っていれば、これらが何を表現しているのかが
分かるのではないかと残念でした。

コクトーの作品だけに、何かまったく違うコンセプトで造られたもので、平和の象徴であるハトやアフリカの仮面、迷路、植物などがモチーフに用いられています。

ただ、きれいだとかということだけではなくて、何か強いメッセージ
を感じることができる作品でした。




これを見て思ったのは、瀧平次郎の切り絵に雰囲気が似ているかも
知れないということでした。
似てませんか?


ジャン・コクトーのサインの下にある×は
何でしょうか?















モーゼル川を渡ったところにある、コメディー広場に面して建っている立派な建物は、フランス最古のオペラ劇場だそうです。
モーゼル川の中州に建つ八角形の尖塔はタンプル・ヌフ(新教会)です。
20世紀初頭にできたものだそうで、そのときこの地を占領していたドイツの影響が見られるように思います。

教会全体の雰囲気が、甲冑に身を固めた兵士のようなので、この角度から撮ると軍艦のようにも見えます。
タンプルヌフを横から見たところ。
 街の反対側、セイユ川のそばに立つのは、「ドイツ人の門」です。
メッスは交通の要衝だったこともあり、この門がこの町がたどった歴史を物語っているようです。











川の反対側から街方向を見たところ。




 この日のランチはイタリアンのパスタです。
上はアマルフィ海岸風スパゲッティ。
ベーコンの味がよく効いて美味しかった。

下のは、ペンネ・アラビアータです。




メッスには多くのイタリア料理店がありました。
どうしてかと訊ねてみたら、昔からこの地は交易が盛んでイタリア商人も多く住んでいたので、その名残だろう、ということでした。

確かにどちらのパスタもイタリアのイタリアン並みにとても美味しかったです。
(2012年6月)

2014年1月28日火曜日

ナンシーはロココとアールヌーヴォーの街

 今日はナンシー一日観光の日です。
まず、ナンシーの中心とも言えるスタニスラス広場に行きました。
広場の南側にある立派な建物は市庁舎です。
この広場の名前となった、スタニスラス・レスチンスキーの像が広場の真ん中に立っています。
元はポーランド国王だったそうですが、すごくがっしりとした体格の人だったようです。









絢爛豪華なロココ風の装飾が施されています。












広場にあるカフェも、どことなくロココ風の広場に合わせたような雰囲気です。









ゲートは隅々まで装飾が施されています。
ホテルから乗った路面電車。
この写真では分からないけど、途中まではゴムタイヤで走り(つまりトロリーバスのように)、ナンシー中心部の手前から路面電車になるというものです。
 ナンシーにはアールヌーヴォーの建物がたくさんあるし、小さな町なので歩いて見て廻りました。
 Avenue Foch沿いにも何軒かあります。













ちょっとイメージとは違ったけれども、これもアールヌーヴォーです。


様式は分からないけど、街角にあった洋式の公衆トイレです。
ナンシー派美術館の中庭から撮った写真。
芸術活動を支援するパトロンであるコルバンという人の自宅を美術館に転用しています。



壁の格子模様がユニークで、
どこにでも額縁がかけられるようです。

小さな美術館ですが、結構な数の展示があります。
以下は気になったものの写真です。
波のようなパターンが、日本の鯉のぼりのガラみたいで面白かった。
よくあるけど、好きなパターンのステンドグラスです。
エミール・ガレのものだと思います。











これも同じです。

猫脚もですが、彫刻がとてもきれいでした。
 北欧の家具のような柔らかい雰囲気のサイドテーブル(かな?)です。

帰りの歩道沿いにあった柵もアールヌーヴォーしていました。











ナンシーでのランチは、1991年開店の老舗ブラッセリー・エクセルシオールに行きました。Brasserie Exelsior
50, rue Henri Poincaré









午後2時を過ぎていたので、店内はそれほど混んではいません。
しっとりと落ち着いた内装です。



この店の内装は、思っていたアールヌーヴォーのイメージとぴったりです。
イメージどおりの店内が嬉しくて、後で見ると店の天井とか壁とか、同じような写真ばかりを撮っていました。
 前菜で食べたキッシュ。
本場のキッシュ・ロレーヌです。
どこにでもありますが、本場で食べるのは格別です。











エスカルゴはあっさり目の味付けでした。









メインの写真を撮り忘れてしまい、デザートになりました。
フランベしたクリーム・ブリュレです。

メインはフォアグラ・カナールにミラベルのチャツネがかかったものとカニサラダでした。


こちらは、メロンジュースのガスパチョ風(冷製)にアイスが入ったもの。

食事はおいしいし、ギャルソンたちもキビキビと動いて、気持が良いお店です。
ワインをグラスでいただいて、2人分での支払いはチップも少しあげて90ユーロでした。
ランチにしてはちょっと高かったかも知れませんが、満足度も十分でした。



 店内のタイル床のモザイク模様。
こうしてみると、穴開きビスケットがつながっているように見えます。

同じ通りにあったマカロンのお店です。

ナンシーはマカロン発祥の地で、「元祖」マカロンがありますが、それは今ごろ人気のものとはちょっと違います。
ナンシーのマカロンは、クリームを挟んだものではなく、それより少し大きめのアーモンドクッキー みたいなものでした。
甘いけど、軽いです。
食感はフニャっとして濡れオカキみたいで、醤油をかけたら本当にそうなりそうです。

 店内には、マカロン以外、いろいろなお菓子が並んでいます。
箱入りマカロン。
24個入りでしょうか。

壁際のカウンターには、バラ売り用のマカロン(とは言っても最低6個単位らしい)が積んで置いてありました。
皆さん、たくさん買っていかれます。

 こちらはシロップ売り場。














これがミラベルのシロップ漬けです。
ミラベルってプラムの一種で、こういう黄金色が特長です。
ナンシーはその特産地なんだそうですけど、フランス人には甘党が多いですね。
(2012年6月)