2012年10月25日木曜日

フォントネー修道院 森の中に佇む最古のシトー会修道院

ディジョンの北西80kmほどの森の中にフォントネー修道院が建っています。
1118年に設立された、シトー会修道院としては最古のものです。

シトー会というのは、ベネディクト会から派生したものですが、既存のクリュニー会が豪華な典礼を重んじて貴族的とも評されるほどだったことに反対する立場をとりました。服装も地味で、染料すら用いない白い修道服を着て、戒律の中でも労働と学習を重んじたそうです。
付属教会の入口。
1127年から1150年の間に建設されました。

 教会の中にある聖母子像。
12世紀のものですが、隣の村の墓地で長く野ざらしになっていたものだそうで、イエスは左手で翼を広げた鳩を胸に押し抱いています。

教会の内部です。
ガラーンとしていて、何の装飾も見られない簡素な内装です。
上の聖母子像以外には、何も像がありませんでした。
教会に続く建物の2階にある修道士たちの寝室です。
戒律により個室は認められておらず、修道士たちはこの大きな部屋に床の上に藁ふとんを敷いて寝ていたそうです。











教会の奥部分(右)と修道院部分(左)を庭から見たところ。
これは鳩舎と犬小屋です。
どちらがどちらなのかよく分かりませんでした。いずれにしてもそれらしからぬ立派な建物です。
犬は狩猟用に、そして鳩は伝達用に育てられていたそうです。
どちらも内には入れません。
構内には、公開されていない建物がいくつかあります。
ちょっと立派で、中を見てみたいなぁと思ったこの建物は立ち入り禁止でした。

庭は芝がきちんと刈り込まれ、余計な装飾は一切無くて、簡素な修道院生活をうかがい知ることができます。

当時の修道院の様子を描いた絵さ。
パンを焼いています。










こちらは農作業をしているところです。
シトー会はフランス国内の森林地帯を開墾したり、新農法を普及させたりもしたそうです。


構内にあった磔刑像。
近くの小川から水を引いて、こうした噴水も作られています。
フォントネーというのは泉から由来しているそうです。

日本でシトー会の流れを汲むものとしては、函館のトラピスト修道院、トラピスチヌ修道院があります。
(2012年5月)





2012年10月21日日曜日

ボーヌのレストラン ル・ベナトン

ボーヌのル・ベナトンLe Benatonというレストランへ行きました。
2003年に来たときに食事をしたところなのですが、今はミシュランの星がついています。

今回は52ユーロのと65ユーロの定食をお願いしました。

最初にこういうのが出てきました。
ワインを頼んだからなのか、それともコースに付いているのでしょうか。
何なのかよく分かりませんでした。
続いて出てきたのがこれです。
写真には撮ったのですが、何だったのか?
続いて前菜が出てきました。
りんごの形をしていますが、中身はフォアグラのパテです。
「りんごの愛」って名前がついています。











こちらの前菜は、アスパラにエビのフライが乗っています。
アスパラはよくアク抜きができていて美味しかったです。








メインはタラです。その上にはカキフライが串刺しになっていました。
魚はすごく薄味でした。
ナルトのようなものは大根か蕪のような食感の野菜です。
ツクシのような緑色の野菜は他でも出てきましたが、何というものなのか分かりません。


もうひとつのメインは牛肉の違う部位を一皿にしたもの。
フィレミニオンは普通ですが、胸腺は脂身を噛んでいるみたいにフニャフニャして、こういう食感が苦手な家内は食べられませんでした。


デザートはチョコとイチゴ。
かなり甘いものでした。
こちらもイチゴが見えていますが、メレンゲの丸い器の中にはバナナとマスカルポーネの冷製が入っています。
メレンゲがすごく甘かった。ちょっと甘過ぎです。

9年前にこのル・ベナトンでフォアグラがこんなに美味しくものだと教えてもらいました。そのときはまだ星がありませんでしたが、やさしくて丁寧なサービスとストレートな料理に感動したものでした。
9年の年月と星が(そしてシェフが)、以前とは全く違うレストランに変えてしまったということなのでしょう。
センチメンタル・ジャーニーの常ですが、思いとは違うものでした。
(2012年5月)

2012年10月12日金曜日

ブルゴーニュ  ボーヌの黄金の丘

 ワインどころ、ブルゴーニュにあるボーヌ Beaune 辺りでは、黄金の丘 "Côte d'Or" と呼ばれるぶどう畑が続く景色を見ることができます。

このあたりでは、そこかしこで見られる「グラン・クリュのルート」という看板です。

もう10年ほども前に来たときにも思いましたが、このあたりのぶどう畑は本当にきれいです。
うねうねとした丘が続いているのが良いのでしょう。ぶどうもよく手入れがされていますし、畑に雑草を見ることもあまりありません。
ブルゴーニュワインの名声を保つための努力はこういうところにも見ることができます。
宿の紹介で、ワイナリー見学に行きました。
ポマール Château de Pomard というところです。
普通は入場・案内で21ユーロかかるところが、宿の人がレターを書いてくれて12ユーロになりました。
1726年創業で、ぶどう栽培は赤のピノ・ノワールのみ。但し、地質が違う8種類の畑から採れたぶどうをブレンドしてワイン造りをしているそうです。

中庭にはアートが置いてあります。
建物の一部が小さなミュージアムになっていて、ミロやピカソ、それにウォーホールのオリジナルが展示されていました。

ちなみに、このワイナリーのワインは最高でもプルミエ・クリュということでしたが、お値段は65ユーロでした。
この日は 暑い日でした。
ワイナリー近くの川の上にテーブルを置いている涼しげなお家がありました。
京都の納涼川床みたいなものですね。

こちらは昔の洗濯場(だと思うのですが)。
水は澄んではいませんが、ここも涼しげでした。
 もう1軒、飛び込みでワイナリーに行きました。
ここもプルミエ・クリュです。
後になって、建物の写真など全然撮っていないことに気づきました。
暑かったからボケてしまったのでしょう。
ま、ワイナリーは建物ではなくてワインそのものが大事です。




こちらは、入場と試飲で一人15ユーロ。
いろいろ試飲もさせてもらいましたが、買いたくなるようなワインはありませんでした。

やっぱりブルゴーニュは「お高い」です。
ワインが出来上がる前から、その90%が売れてしまうというワイナリーがありましたが、それだけ品質が信頼されているからでしょうか。それとも、ブランドだから、ということなのでしょうか。


天候不順で、思うほど作柄も良くなくて、ワインの質が落ちる年もあることでしょうが、それはそれで世界中の人々は「ブルゴーニュ」を手に(口に?)入れたがっているのです。
(2012年5月)















2012年10月9日火曜日

ボーヌのホテル Le Home

ボーヌ BeauneではLe Homeというホテルに泊まりました。
”Le Home”
Nº138 Route De Dijon, Beaune

ボーヌの町から北へ歩いて15分ほどのところにあります。







部屋は2階の25号室です。
家具類は、テーブルやイス、それにベッドもクラシックスタイルです。





クラシックなのはデザインだけではなくて、古い家具なのでベッドはギシギシ音がするし、イスのひとつは脚がもげそうになっていました。知らずにドカっと座るとペチャンコに壊れてしまいそうで危なかったです。
 バスルームもクラシックスタイルです。洗面が2つあるのが便利でした。

窓があるのではなくて、壁に絵が描いてあるのです。


朝食です。
ごく普通のコンチネンタルですが、パンがとてもおいしかった。
.









このホテルにいるクロラブです。
いつも寝ていました。
 ボーヌの町へ歩いて行って夕食を食べました。
"Le Conto"という、町の広場に面したところにあるレストランです。

右はサンジャックのブロシェットです。
どうしてボーヌでシーフードなのかと思うでしょうが、軽めの食事をと思って選ぶとこうなりました。
キリっと冷えたシャブリがとてもよく合いました。







こちらは Oeuf en Meurette というお料理。
ゆで卵をブッフ・ブルギニョンの汁のようなもので煮てあります。
これもあっさりした味でした。

ブルゴーニュに来たら、やはりピノ・ノワールを飲まないといけません。



で、Beauneというラベルが付いた地元の赤ワインをいただきましたが、軽やかなのでハーフボトルでは物足りませんでした。
(2012年5月)


2012年10月5日金曜日

ブランシオン ブルゴーニュの丘の上の小さな村

 ブランシオン Brancionはトルニューから西へ12kmほど入ったところにある、小高い丘の上にある小さな村です。

村の入口に立っていた看板です。
村へは車の乗り入れができませんので、村の外の駐車場に止めて歩いて入ります。
 村のゲートです。ブランシオン城の城門がそのまま残っています。

城門の右側に見えるお城の一部。
 お城というより、半分は城址というべきでしょう。かなり朽ち果てた印象です。
 この村の歴史は5世紀ごろから始まりました。
ブランシオン家が所有していたので、その名前がつきました。
13世紀になってブルゴーニュ公に売却されたあと、1477年にフランス領となりました。

この城は、三重の城壁に囲まれていたため、難攻不落といわれ、ブルゴーニュ南部で最も重要な城とされていました。
お城の塔の上から見下ろしたところです。
ほぼこれで村の建物すべてです。

お城から下りて、村のメインストリートからお城を見上げたところ。
お城へは入場料が一人4ユーロかかります。別にオーディオを借りることもできます。
ただ、オーディオの説明はかなり細かい内容で、聞いているうちに疲れてしまいました。
2つ上の写真にも写っていた、村の教会です。
14世紀に建造された、サン・ピエール教会です。2004年に修復されたため、外観はとてもきれいでした。
入口の上の十字架が寸詰まりでかわいい形です。
教会の内部はかなり暗かったですが、このようなロマネスク様式の教会だと、窓がとても小さいので仕方がありません。
この日は中でハープの演奏が行われていました。
 村の建物の壁にWELCOMEのサインがついていました。
どこかで買ってきたものでしょうが、2匹のリスがかわいらしかった。
村の家の煙突の上についていた飾りです。
サン・ピエール教会の前からの眺め。
ブランシオンは小高い丘の上にあり、遠くまで見渡すことができます。
(2012年5月)